春の研修旅行に参加して

春の研修旅行に参加して  2号車 事務局・総務 延町 森本一郎様
 比の度、図らずも本会の事務局総務を担当する事となりました。未熟者でお役に立てるか判りませんが、出来る限りお手伝いをさせて頂きたいと考えています。宜しくお願い致します。
 さて、この春の研修旅行は、最終七九名の皆様の参加で、定刻七時に綾部駅を出発し、如意輪寺には予定より若干早く着くことが出来ました。
 現地ボランティアガイドと合流して早速見学。持参の資料を良く読み、それを頭におきながら、ガイドさんの更に詳しい説明を聞き、知識を深めた気がしました。ポイントの、蔵王堂の蔵王権現像の手本となったと言われる、後醍醐天皇念持仏と同厨子、楠木
正行(まさつら)公辞世の扉、後醍醐天皇陵等、あ丶これがと、印象深く拝見しました。
 竹林院群芳園の庭園も、静かな佇まいで山上からの眺めは格別でした。昼食を頂いた後、勝手神社へ、古来より戦勝祈願の社、静御前が捕らわれた所とか、社殿が焼失し説明のみで、や丶寂しい思いがしました。つぎは吉水神社、ここは見るべき物が沢山ありました。鎌倉末期から室町初期の最古と言われる書院造り、太閤秀吉の桃山時代の豪華な書院、この違いは時代の変遷なのか、権力の差なのでしょうか? 断崖絶壁に建つ清水の舞台の様な「吉野(よしの)(だて)」を窓越しに見学する。宝物も沢山あり、義経の武具の腹巻、静御前が着ていたと言う着物、奥の間には鎌倉・吉野時代の様々な宝物、弁慶の直筆の書からは繊細な人柄が伺えると、ガイドさんの弁。何よりも宮司さんの奇知に富んだ見事なお話に、皆さん大いに聴き入り、時間の関係でお礼を言って足早にそこを後にしました。
 遠くからの眺めも美しい国宝・蔵王堂へ参拝、靴を袋に入れ、今、特別ご開帳の身の(すく)む様な三体の金剛蔵王権現像の前に正座する。綾部淵垣の林南院の住職で田中()(てん)宗務総長・執行長の説明をお聞きする。何度来ても此処のお堂の豪快さには敬服する。この”すごいとしか言えない様な金剛蔵王権現様に我々は守られていると思うと、心が安まる思いがしました。
「日本人は無神論者であるとややもすると思う。それは一神教(キリスト教、ユダヤ教、回教)の米国の戦後政略に因るもので、決して日本人は無神論者ではない。日本人は神も仏も拝む。これこそが本来の日本人の信仰である。もっと自信を持って自覚すべきだ。それを広め伝えて来たのが修験道、その峯山(きんぷせん)修験本宗の総本山が当山の金峯山寺であり、1300以上の歴史を有している。現在、多神教こそ世界を変える大きな力となりえ、我日本の役割も大きい。」と説かれました。
「又、今我々が行わねばならないのは、子供たちに我々が子供の頃受けた、素朴な信心の心と、村としての共同体の教育力を伝え体験させてやる事だ、子供に日本の精神文化を伝えなければならない。」とも説かれました。
 帰りの由良副会長の挨拶に有りました様に「こうして何百年を経た文化財が、多くの先人と関係者で今も守られている事は、本当にスゴイ事で、それを知り大切さを判る人を増やして行こう。」と申されました。吉水神社の佐藤素心宮司様の文化財を守り知らせていく、当事者のとしての並々ならぬ決意も伺えました。
 我々も及ばずながら、綾部の文化財を守り、理解を深めて行きたいと思った次第です。秋の文化財・史跡学習会にも、より多くの皆様と参加させて頂きたいと、楽しみにしております。

第三七回春の研修旅行に参加して  1号車 理事 西坂町 泉 美千代様
「綾部の文化財を守る会」に入会させていただき数年が経ちますが、この四月、はからずも理事という大役をいただき未熟ながらお役に立てるよう努力してまいりたいと思いますので宜しくご指導下さいますようお願い申し上げます。
 この春の研修旅行には79名の皆様が参加され、世界文化遺産登録記念「吉野の国宝・文化財を訪ねて」と、吉野へ出発致しました。天候にも恵まれ、さわやかな緑に包まれた日本の代表的な山岳信仰の霊域、吉野山に到着し如意輪寺へ、そこには、如意輪堂を本堂とし宝蔵などがあり、後醍醐天皇の末路を物語る「塔尾陵」、「身はたとえ南山の苔に埋もるとも、魂魄(こんぱく)は常に北闕(ほっか)の天を望まん」と都に思いを寄せられた最後、又、楠木正行(まさつら)(やじり)で書かれた辞世の扉などの宝物館を拝観し戦国の世の悲劇に出逢った思いを残し、大和三庭園の一つ・竹林院の名園を見学しました。
 午後は勝手神社へ、静が捕らえられ、法楽の舞を舞わされた所と説明を聞き、吉水神社へ、世界文化遺産登録のこの神社の日本最古の「書院造」は国の重文であり、多くの文化財を見学しました。この書院の一室に「義経潜伏の間」があり、静との短い出逢いの場や義経の鎧、当時の静の着物も展示されており、哀れみを誘います。
 次に金峯山寺へ、ここは世界文化遺産登録の金峯山修験本宗の総本山であり本尊で日本最大秘仏の金剛蔵王権現が祀られており、四年に一度の密教儀式の時以外は拝観することの出来ない、過去・現在・未来をお守りして下さる三尊が世界文化遺産登録記念の慶讃のため特別に御開帳され拝観させて戴き大変有り難く思いました。
 綾部の林南院の住職で田中利典宗務総長様のご説明を受け世界へ向けて発信される「(じょ)の心」すべてを認め、一切をゆるす、神仏を隔てなく信仰する事によって救われる、自然を敬い、「共生、和合」による世界平和を修験道から世界へ向けて呼びかけて行きたい。そんなお話を聞かせて戴きました。
 行者(えんのぎょうじゃ)によって開かれた修験道修行の地、吉野山。吉野山は桜を大切にし、見事な桜の名所ではありますが、南北朝時代の様々な悲話にいろどられている所でもあり、「歌書よりも軍書に悲し吉野山」そんな句もあるそうです。しかし吉野山は、桜と南朝史跡で有名でもあります。 ガイドさんの説明もあり、素晴らしい手引きもあり、文化財を守る会ならではの研修旅行でした。又、皆さんが元気でお帰り頂き本当に良い一日であったと喜んでおります。
 出来るだけ多くの文化財にふれ、関心を高めて行くことが、知識を豊かにし、綾部の文化財を守る会の発展につながっていくのではないかと思います。又、秋の文化財・史跡学習会の旅行には多くの皆様のご参加をお願いいたします。
第三七回春の研修旅行のご報告   実施事務局より
世界文化遺産登録記念「吉野の国宝・文化財を訪ねて」と称し、参加募集を開始しました。所が、締め切り日の2日前の5月15日で51名、貸切バス1台では定員オーバーです。補助席で吉野までは、大変です。京都交通に事情を話し、バス代金を値切り、締め切りを5月末とし、各役員の方々に名簿を渡し、追加の募集を続けました所、最終的に参加者79名で予定通り、京都交通バスも値切ったバス代金で実施して頂き、竹林院群芳園もホームページ「綾部の文化財」にも掲載し、このホームページは将来、文化庁ともリンクすると云うことで無料にして頂き、漸く黒字となりました。此の感想文は前記に新事務局・総務担当の森本一郎氏や新理事の泉美千代氏の「就任挨拶・感想文」で発表されています。
多々御世話になった、京都交通バス、竹林院群芳園、ボランテアガイドさん、特に、修験本宗総本山の金峯山寺の淵垣・林南院住職で宗務総長・執行長の田中利典師等のご協力に厚く御申し上げます。又、今回の参加者の特長は新入会員が又は始めて参加の方が約20名近くあったことです。
尚、実施に当たり、会長の大嶋文隆氏の並々ならぬ、田中利典宗務総長との連絡・依頼等ご努力頂いたことを報告申し上げます