綾部の文化財76号  文化財研修旅行感想記       HP綾部の文化財

  「西国第十番札所・三室戸寺の文化財を訪ねて」 一号車 岡町 宮崎鈴枝様

 西国観音霊場第十番札所「三室戸寺」にて一号車の皆様

宇治川畔で昼食をいただき、午後からは西国観音霊場十番札所・三室戸寺へと、バスは出発しました。少し雲が増え,陽射しが弱くなりましたが、雨の心配はなさそうです。

バスを降りると、山門からしばらくなだらかな道が続きます。札所巡りの人達が静かに目の前を通り過ぎていきます。やがて六十段ほどの石段を登りきると、眼の前に本堂の甍が迫ります。山の上は予想以上に狭いため、本堂は実際より大きく見えました。御本尊の千手観音像は秘仏で拝観できません。お姿を想像して手を合わせ、お參りしました。

当寺は何度も火災に遭い、現在地に再興されましたが、織田信長の焼き討ちに遭い、大打撃を受けたそうです。三室の山は観音の浄土、神々の山であるのに、信長は何を感じたのか。お寺の屋根、天井には龍が火除けとして配置されており、火災の際には雨を呼び、守ってくれると聞きました。

明星山と号するこの寺は、全山花づくし。四季の花が絶えません。春はつつじと(しゃ)()(なげ)、夏は蓮の花、秋は紅葉、冬は山茶花(さざんか)と、花を目当てに訪れる人は圧倒的に女性が多いそうです。今年も紅葉の木立越しに三重塔が映えていました。七月から八月にかけて観蓮会が開かれ、蓮の葉にお酒を注ぎ、茎から飲むそうです。どんな(みやび)な香がするのか、想像するのも楽しいものです。蓮は鉢植えで土替え、水やりと手間がかかり、花の命は四日と聞きました。短いものですね。

夜もすがら 月は三室戸 分けゆけば

      宇治の川瀬に 立つ白波

○○○○寺―と、御詠歌を捧げていた優しかった祖母の姿が、子どもの頃の私と共に思い出されてきました。

 宝蔵庫では中尊に阿弥陀如来坐像が安置され、両脇侍像は、観音菩薩が蓮台で未開蓮を捧げ、勢至菩薩は合掌し、両膝を地につき大和座りです。穏やかなお顔、足の裏や指を見て、親近感を覚えたのは私だけでしょうか。

 木造釈迦如来立像、毘沙門天立像と共に五体の像は、全て藤原時代の作品で、国の重要文化財です。毎月十七日の決められた時間のみの拝観ですが、綾部の文化財を守る会々員はこの日、特別に参観し説明を受けました。

「暮れはつる 秋のかたみにしばしみん

        紅葉ちらすな 三室戸の山」   西行法師

「山吹や 宇治の(ほい)()の 匂ふとき」   松尾芭蕉

旅を愛した二人もこの地に立ち寄って、同じ空気を感じたことでしょう。

 今回は、黄檗山萬福寺、明星山三室戸寺とを京都散策同好会のガイドさんから説明を聞き、学習の機会を得ました。

 企画、準備とお世話になった役員の皆様、ありがとうございました。