綾部の文化財76号  文化財研修旅行感想記       HP綾部の文化財

「黄檗宗大本山・萬福寺の文化財を訪ねて」 二号車 大島町 大志万春恵様

 
黄檗宗萬福寺の国重要文化財の三門をバックに二号車の皆様 

 第十八回秋の文化財・史跡学習会に参加させていただき感動の連続でした。

 日本三禅宗(臨済宗・曹洞宗・黄檗宗)の一つ黄檗宗大本山・萬福寺は素晴らしい伽藍で二十三棟の国の重要文化財の中国明朝時代の様式を取り入れた建造物が立ち並んでいるとの説明をうけ、眼を見開いて見学しました。

 隠元禅師という中国の高僧の方が弟子二十人を連れてご開山され、その時禅師は六十三歳。日本に来られ、わが国は鎖国状態にあったとき、日本に新宗教を根づかせるため、大変な苦労があったであろう。そんな中で仏教のみならず、新しい音楽や普茶料理と呼ばれる精進料理、煎茶(せんちゃ)、印刷、篆刻(てんこく)、木魚など持ち込んで文化面の発展にも大きな役割を果たしている事を知りました。また、「隠元豆」も禅師からきているとのこと、何か親しみを持ちました。

 総門を入って石条(石畳)の参道に沿って行くと重層で楼門造の三門が見えてきました。禅宗にとって三門とは煩悩を離れた三解脱門の意で清浄域に入るということを聞く。心清らかな気持ちになり門を潜って、しばらく行くと天王殿。天王殿には、布袋尊がお祀りしてあり、わが国では七福神の一つとして親しみ深い信仰の神様です。大きなお腹をして、大きな袋を担いで、街中を歩き、吉凶や天候を占ったと聞きました。思わずお腹を触りたい衝動にかられながら、手を合わせお祈り致しました。

 斎堂の前には行事の刻限を知らせる魚の形をした開?(かいばん)雲版(うんばん)が掛り食事や朝果(ちょうか)の時刻を知らせる為に、打ち鳴らす萬福寺の伽藍にはなくてはならない景物となっていると聞き、興味深く見詰めておりました。根付にしてある魚の開?を一つ買い求めお土産としました。

 伽藍の中心に位置する最も大きな建造物の大雄宝殿、桁行三間、梁間三間、とにかく大きく壮大な建物で、深呼吸をしてから、見上げました。本堂の前には白砂が一面に敷き詰められ、(げつ)(だい)と呼ばれているもので、常に月光を受けるが故に名づけられているという。月台の中央に(いましめ)を破った僧を置いて、()らしめる為に梵壇(ぼんだん)(せき)が一枚置かれているのにも、注目させられました。

 禅師直筆の「大雄宝殿」の扁額も立派な文字で、首が痛くなる程しばし見上げておりました。

 十六羅漢像は独特の顔をしておられ変化に富んだ腕や脚の表現に加え衣文(えもん)(衣装)の文様は盛り上げ彩色で一段と装飾性を持たせて素晴らしいものと、説明を受け改めて興味深く拝見致しました。

 黄檗山の一日は朝の(じゅん)照板(しょうばん)によって始まり、夜の順照板によって終わります。 

修行僧の方は正覚をめざして精進を誓い自覚を促すために順照板を打ち鳴らし、修行をされると聞いている時、雲水の方が裸足に草履姿で五人列になり姿勢を正し選佛場へ入って行かれるのに出会いましたが、清々しいお姿に思わずお辞儀をしてしまいました。

普通の見学では、時間、人数に制限のある所も、「文化財」の役員の方々の取り計らいにより無制限に宝物殿を見せて頂く事ができました。感謝の気持ちで心足る旅でした。あらためて「文化財」の史跡学習会の素晴らしさを実感いたしました。