綾部の文化財 第20号 昭和60年3月30日
文化財をみる場合の知識(1) 故山下潔美氏
1.名称について
 お寺などに参拝すると、よくいろいろな塔を見かけますが、その名称が分らない場合も多いので、その表を掲げておきますので観賞の手引として下さい。

@宝篋印塔
 建造物に属し、塔の一種で上部の笠の部分に特色があり、屋根の軒に相当するところの上下に数段の造り出しがあるのと、上の四隅に芯弁形の飾り(耳とも、耳飾りとも、突起などともいう)があるのですぐ分る。
 この飾りは、古式のもの程直立に近く、新式は外部に大きく広がる。
宝篋印塔という名は「宝篋印陀羅尼経」を入れたことから来ているという。
A五輪塔
 塔の一種で五つの部分から成りたっている。密教が盛んになって以後行われ、立方体や球、三角などの部分を組みたてたもので、それぞれ下から地、水、火、風、空五大一切の物質を構成している要素を示す仏教概念)をかたどるという。
 ーつの石で造られたものを一石五輪ともいう。
B多層塔
 文字通り層の多い塔の汎称、三董より十一重までの各奇数の層をもつ塔を一般に多層塔という
二重であるように見える多宝塔とは別だから混同せぬように注意しなければならない。
この「多」は一般慣習のように「三」以上を意味する。
C石燈寵
  石造りの燈寵で、燈寵は仏の供養のため堂前に立てられたもので仏教とともに伝わったものという。
 名称は図のようであるが、平面は六角、八角・方・円などが普通で、基礎、中台には蓮弁を刻み、
竿には珠文、火袋には火口、窓、格狭間・連子などを彫る。
形式により、所在の寺社によって平等院型三月堂型般若寺型などという。(文化財用語辞典より)