臨済宗南禅寺派大本山南禅寺の見学  2号車常任幹事・青野町 小村一郎

 十一月十八日南禅寺、智積院の国宝・文化財を訪ねる秋の文化財・史跡学習会に参加した。天気予報によると降雨の心配も少しあるようなので傘を持っての参加となった。時々の時雨はあったが、京都に着く頃には明るく陽が差さすようになった。それから見学の間中時として短い時雨があったがまずまずの好天に恵まれてよい見学をすることが出来た。

 南禅寺三門(国重文)をバックに2二号車

 バスの中で「今年は紅葉がよいと言われているが綾部のあたりでは山々の紅葉は色がくすんであまりよいとは思われないが・・・・」などと話し合い見学地の紅葉を心配したのであるが,南禅寺に着き参道を歩きながら見る紅葉に目を見張った。真紅で燃え立つような木や、緑を残す下枝から上部の真紅へと色の移っていく木などそれぞれ美しさを競っているようであった。

 雄大な三門前で記念写真を撮ってもらい、三門をくぐって法堂への道を歩く間も、松の間に点在する楓の紅葉をじっくり楽しむことが出来た。法堂の前でガイドの女性から南禅寺の簡単な説明を受けた。南禅寺は京都五山の上とされ、禅寺の中で最高位に置かれたこと、方丈は国宝、三門、勅使門は国重文であること、方丈は大方丈、小方丈からなり、その庭園と華麗な障壁画は有名で、それぞれ国名勝、国重文に指定されているなどの事を頭に入れて見学に向かった。

 大方丈の「虎の子渡し」と呼ばれる庭園は白砂と岩石を主役とした庭園で清らかというか静かさを感じるものであった。

 それに対する室内は狩野派の障壁画に囲まれた華麗な空間である。この室内に座してこの庭園を眺めるというのは、ちょっと首を傾げたくなった。もちろん庭園も絵画もそれぞれすばらしいものであったが・・・。小方丈の庭園は大方丈の庭園と違って池水に岩石を配し、滝や

渓谷或いは島を作り庭園の中に自然を表現しようとした庭園であった。

 方丈見学を終えて南禅院見学へと向かう。南禅院は亀山法王の離宮跡で南禅寺の発祥の地であり、庭園が名勝指定である。方丈庭園と異なり池泉回遊式庭園であり、自然を凝縮したような感じがする庭園の中を歩きながら、石組みとそれに配された樹木の紅葉の美しさを十分観賞することが出来た。庭園を前に控えた建物の美しさも心に残った。

 南禅院前に水路閣が横切っている。赤煉瓦で造られた古代ローマの水道橋をモデルとしたものである。考えてみれば古い寺院の中に洋式の建築物が横たわっていることは異様なことであるが、現在では古びて周りの風景の中に溶け込み何の違和感もない。しかし造られた時抵抗もなく受け入れられたものであったろうか。

 京都は古い都で、いにしえの事、物が大切に残されている地であるが、それと同時に時代の先端を行く物が受け入れられている。水路閣もその一つであろう。

 南禅院の参観を終わって自由時間があったので三門に上がってみた。高齢者には少し無理ということであったが、なるほど急な階段であった。やっと上がり切ってみるとすばらしい展望が開けた。眼下の境内樹木群の上に広がる京都の景観に「絶景かな!」という感嘆の言葉が思わず口をついて出た。よく見ると松等の梢が切られ揃えられている様子で、紅葉を交えた豪華な台のように見える。その台の上に乗るように広がる京都の街並み、本当に「絶景」である。高いビルの上から見るのと全く異なった美しさであった。

 三門の上から京都の、そして美しい紅葉の南禅寺境内の眺望を楽しんだのを最後に南禅寺見学を終えた。