(丹波のカラス寺)楞嚴寺(りょうごんじ)  豊里 館町(地図クリックください)
綾部の文化財シリーズ (第5回)
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丹波のカラス寺)
塩岳山 吉祥院 楞嚴寺(りょうごんじ)(高野山真言宗)

本尊薬師瑠璃光如来 
関西花の寺霊場第2番(綾部唯一)
綾部西国観音霊場第十四番
「縁起」
 楞厳寺は奈良朝、聖武天皇の天平四年(732)林聖上人の開基である。以後、幾多の時代の変遷と再三の兵火により寺坊は悉く焼失し古記・古文書の多くが散逸し、歴代住職の事歴も不明のまま多くの年を経ている。しかし南北朝時代の楞厳寺敷地紛失状(綾部市指定文化財)によれば、寺領は可成り広大であったことがわかる。
 元禄十六年から宝永五年(1708)にかけて旧本堂が完成され、その本堂建立の時の住職、盛長法印を中興開山としている。尚、これより五十年後の宝暦八年(1758)に現在の庫裡が建築され漸く伽藍が整えられている。
本堂(本尊 薬師瑠璃光如来、日光・月光菩薩、十二神将)
旧本堂は元禄時代(1688〜1703)の建立であったが、柱等の主要部分が松材であった為、総体的に老朽化が甚だしく、遂に全面改築となり平成14年春着工、15年秋、新本堂が完成した。 
 本堂内部は折り上げ格天井で枠数96面の秋田杉の板に岩絵具で彩色された様々の花の絵が描かれている。画家は円山応挙から直系八代目・円山慶祥氏とその弟子・真祥氏である。「瑠璃光華曼荼羅」が現出されている。
梵鐘
 綾部藩・九鬼領内に時を知らせる鐘として寛政四年(1792)に鋳造。「同國天田群福知山住 統領 惣官鋳物師 足立 大和藤原重延」の銘がある。廃藩後、綾部町が保管していたものを、昭和24年(1949)に当山に招致。表面には文化二年(1805)の綾部大火の際、斧で乱打した傷跡が残る。
庫裡の「長井いっか一禾」の四季の鴉(襖絵) と「一禾筆塚」
長井一禾は明治2年新潟県水原町に生まれる。東京に出、中野其明、平福穂庵に師事し、円山派の画法を学ぶ。明治37年(1904)に、当時、東京美術学校に招かれていたフエノロサ博士に見出され、博士の帰国と共に渡米。五年間滞在し、日本画の紹介を兼ね、洋画を研究。ポーランド大博覧会では名誉賞を受賞。帰国後、特にカラス絵の技法が妙を得、大隈重信公から「鴉博士」の称号を贈られる。当山には昭和12年(1937)から翌年かけて滞在。庫裡の四座敷に春夏秋冬のカラスの絵を描く。昭和15年(1940)に没。
なお、弁財山の池の近くには、一禾画伯が全国各地で用いた筆を納めた筆塚がある。
春「いく育すう雛の間」両親のカラスが巣にえさを運び、三羽のひなをいつくしみ育てている。カラスのオス、メスはくちばしに特徴があるといわれる。
夏「高野杉に鴉」・・・高野山(真言宗の聖地)の老杉とカラス。「鴉百態」といって、様々なカラスの姿が描かれている。
秋「湖畔の鴉」・・・湖のほとりで休息するカラス、一方、川に通ずる広大な空間を飛翔するカラスで、静と動の対象である。
冬「雪中はんぽ反哺の孝」・・・巣立ちした三羽のカラスが、成長し、親に恩返しをする場面。「鳩に三枝の礼あり、鴉に反哺の孝あり」の故事に基づく。
日限地蔵尊(ひぎりじぞう)
 日数を限って様々な願いをかけると不思議にかなえられることから「たち舘の日限地蔵さん」として広く知られている。
不動明王像
 本堂横の建物の中に、弘法大師,役ノ行者、白衣観音と共に祀られている。毎年初弘法の1月21日には、その前の広場で「柴燈大護摩祈願」が盛大に行われ、沢山の参拝者でにぎわう。
宝筐印塔
日限地蔵堂前にあり、永正八年(1511)の銘があり、かなり風化しているが頂上の九輪石は他の石に変わっているが、その窪みに溜まっている水を身体にぬると御利益があると伝えられ、すくい取ってしまっても、後に不思議に溜まっていることから霊水として信仰を集めている。
水子地蔵尊
 「生命尊厳」の仏教教理に基づき、水子の霊をなぐさめるため昭和54年(1979)春、檀家・信徒の浄財により建立された。「全国水子供養寺八十八ヵ所」のひとつにも数えられている。

寺宝「絹本著色不動明王像」(国重文・鎌倉時代作の絵)「楞嚴寺縁起」、「敷地紛失状」(は共に室町時代>)、「大般若写経」(平安から桃山時代の181巻)は綾部市指定文化財である。
関西花の寺二十五ヶ寺第二番
近年富みに訪れられる「花の寺」として、3月の椿、4月中・下旬のミヤマツツジ、7〜8月のハスの花等四季折々の花が楽しめます。
楞嚴寺の四季
 春は桜につ丶じ花
 夏は池中の蓮かおり
 秋は紅葉に彩りて
 冬は白光四季の楞嚴

尚、境内の三古木、「綾部の古木名木100選」に選ばれ、緑の文化遺産と言われています。
1、椿(樹齢400年、正面横にあり、白・ 赤・ピンクの咲き分です。
2、菩提樹(樹齢約500年、初夏に白い花が咲き、球形の実が生る。大きいと数珠にできる。)
3、さるすべり百日紅(樹齢約400年、一株から初代、二代、三代の移り変わりがわかります。)
楞嚴寺住職 為廣哲堂
(注)庫裡の「長井一禾」の「四季の鴉」の絵を見たい場合は、是非電話にて予約を入れて下さい。内部参拝の「志納料」は個人で三百円、団体で二百円見当です。
 綾部ICを下り、豊里小学校横の道から大型バスも入ります。
りょうごんじ楞嚴寺電話番号:(0773)ー47ー0043/FAX:(0773)ー48ー0995